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アツヲに訊け!スーパー![14]
   
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旦那は物が捨てられなくて、使わなくなった物はなんでもかんでも倉庫に押し込んでしまいます。どうしたらよいでしょう。
じゃがりこ(39歳・女)


すぐに倉庫を改修しなさい。なんなら空調設備を入れ、床を上げて壁を厚くし、家の中で一番清潔で温度と湿度が管理された空間をつくるのだ。じゃがりこもじゃがりこの旦那も倉庫を生活スペースとゴミ捨て場の中継地点程度に捉えているのではないか?それはあまりにももったいない!家庭内での倉庫スペースの地位をグッと格上げすることで、旦那も「なんでもかんでも」とはいかなくなるはずだ。

昨今は「ミニマリスト」というライフスタイルがブームとなっているようだが、必要なくなったモノをすぐに捨ててしまうのもどうかと思う。豊かな生活のためにはある程度のモノの保管が必要だ。人は常に前だけ見て突っ走っていけるわけではない。ときに過去を振り返り自分の立ち位置を確認する必要がある。その時に役立つのが、ともに人生を過ごした思い出の詰まったモノたちである。

ところで「ハーブ&ドロシー」という映画を観たことがあるだろうか?アパートの小さな部屋に住む、一見なんの変哲もない老夫婦が実は稀代のアートコレクターだったというドキュメンタリーだ。

そろって公務員だったヴォーゲル夫妻は、べつに金にあかしてアートを収集したわけではない。たまたまアートが大好きだった夫婦が、まだ名も知られていないの若手アーティストたちと個人的に仲良くなり、作品に対しての率直な意見を交換し合い信頼を築きながら、ごく安い値段で大量の作品を集めていたのだ。

後に夫妻と交流のあったアーティストたちは軒並み世界に名を轟かせるようになる。それらの作品を1点でもオークションに出せば即大金持ち!しかし夫妻は全てのコレクションをタダで国立美術館に寄贈してしまった。これは実話だぞ!

モノを大切に保管するという行為は先見の明さえあれば自分だけでなく、公共に大きな利益をもたらす場合があるのだ。

残念ながらヴォーゲル夫妻のアパートには倉庫と呼べるような設備はなかった。だからベッド下のスペースや壁などを使い大好きなアートに埋もれて生活していたのだが、寄贈品のリストをつくるため、ふたりが幸せに暮らす小さな部屋に国立美術館の調査員がやってきた時、温度や湿度を厳重に管理されるべき国際的価値のある作品たちが金魚の水槽の横に置かれているのを見て真っ青になったという。美術館とアパートをトラックが何往復もして、部屋は少しだけスッキリしたが、やがてまた買い集めた無名のアート作品で埋もれはじめているらしい。

オレは別にアートで一攫千金を狙えと言っているわけではない。そもそも現代アートの概念はごく最近になって西洋から輸入されたもので我々になじみのある考え方ではない。

歴史をさかのぼり、西洋諸国で限られた一部の貴族階級のみが芸術を楽しんでいたころ、日本では大量に印刷した浮世絵を一般大衆が包装紙に使ったり障子紙を修繕したりしていた。誰もが芸術に触れることができたこの国では美そのものが生活に根付いているので、改めて「はい、これがアートです」と値札ととも芸術品を見せられてもピンとこなくて当然なのかもな。

美しいものに囲まれて暮らしてきた日本人はアートよりも「骨董商」としての方面で才能を発揮できるのではないかと思う。

骨董とは昔からある古いものに、ストーリーを添えて価値を付ける商売だ。ことば悪く言えばガラクタに口八丁で価格をつけているとも言えるが、どんなものからでも人の気がつかなかった美しさを新しい切り口で取り出すというのは、卓越した審美眼なしにできることではない。そして日本これまでずっとそうやって世界を驚かせてきた。

これからの買い物は使い終わったり飽きたりしたら手放すことを前提とせず、日用品から家具まで、次の世代まで残したいと思えるよいモノを夫婦で相談しながらしっかりと選ぶようにしたらよい。その時は「ブランド」だけに踊らされてはいけない。日本には無名でも美しいモノが溢れている。そして自分が直感で「これだ!」と思ったモノを少しでも長く使うために努力することに生きる楽しさがあるのだ。それをきちんと整理・保管し、価値を後世に伝えようとするとき、倉庫などの収納設備は我々にとって大きな味方となる。

資本主義社会が利益を追求してゆけば世界のモノづくりはこれから先、画一化や規格化の波にのまれてゆくだろう。それは個性を生む手作業の工程は「非効率」の名のもとに省かれ、店頭に並ぶ右の商品と左の商品の区別がつかなくなってくるということだ。

しかし人は血の通っていないモノから感動を得ることはできない。楽曲のネット配信が一般的になりつつあるいま、音楽ファンたちが一斉にレコードに走っているのがその証拠だ。ついには「カセットテープ」が増産されはじめたというニュースまで聞いたぞ。

いま売っている当たり前のモノが30年後に必ずお金に変えられない価値を持つようになる。さて、何を未来に持ってゆこうか、倉庫や収納を存分に使って人生を楽しんでくれたまえ。
 

 
 
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by hoo-ja986 | 2016-10-25 22:34 | アツヲ@営業部 | Comments(0)
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