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  • ©ホージャクリエイト
2018年 02月 07日 ( 1 )
アツヲに訊け!スーパー![44]
   
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いつか何かの役にたつ「アツヲに訊け!」のスペシャル版!
「アツヲに訊け!スーパー!」第44回!
アツヲの話はどうでもいいけど、
今日クルマのタイヤがパンクしててビビった〜。


 
子供を連れて愛媛県に移住するの予定です。実家が愛媛にあるので何度も来たことがあるのですが、完全移住となると不安がいっぱいです。
あきえ(26歳・女)


 あきえの移住を心から歓迎しよう!地域やコミュニティというのは一定の割合で流動がないと、流れが淀み、閉鎖的で不健全な空間になってしまう。だから外の土地から新しい人間が入ってくるというのは我々にとっても嬉しいイベントだ。

 実はオレ自身も外から愛媛にやってきた。住み慣れた場所を離れる寂しさは大変なものと思うが、その切なさこそが日々の彩りの素となるので大切にして欲しい。土地に溶け込むことばかりにエネルギーを取られて、自分が以前住んでいた街のこと、その誇りを忘れてしまわないように。精神さえ健やかでいることができれば過去の記憶は良い思い出だけを残して風化してしまう。これまでに暮らしたいくつかの街を思い出しながら過ごす日々がいかに甘美なものか、住む土地を変えた者はみな良く知っているし、もし今回が初めてならばいずれ気づくはずだ。

 少し時代が変わるが、ディズレーリ首相の話を贈ろう。外から来た者と聞いてオレが真っ先に思い出すのが、イギリスの首相ベンジャミン・ディズレーリのスエズ運河株式買収(1875年)のエピソードである。19世紀の中頃フランスがエジプトとの共同プロジェクトとして整備したスエズ運河は、イギリスが地中海から植民地のあるインドやアジアまで一直線に抜ける超重要航路だった。ここが使えないとイギリスの船はアフリカ大陸の喜望峰を周る必要がでてくる。スエズ運河の大株主でありライバルでもあるフランスの顔色を常にうかがう必要があり、長年イギリスにとっては大きな悩みとなっていた。

 1875年のある日曜日、ライオネル・ロスチャイルドという銀行家と食事をしていたディズレーリは、約半分のスエズ運河株を保有するエジプトが財政難でそれを全て売却したがっていることを耳打ちされる。閣僚への確認もそこそこに即決で買収を伝えるが、タイミングが悪いことにその日は議会が休会中で政府から買収のための400万ポンドを準備することができなかった。しかしディズレーリの機転で買収案を持ちかけた当のロスチャイルド銀行からその400万ポンドを借金をすることにより2日間で買収を完了させてしまう。電光石火、フランスが交渉のテーブルに着く隙はなかった。このスエズ運河株式の買収で周辺国への大きな発言権を得ることに成功したイギリスはその後帝国としての地位をさらに固め世界への躍進してゆくこととなる。

 この話の重要なポイントは、ディズレーリが当時世界中で迫害を受けていたユダヤ人だったということだ。イギリスも数百年にわたるユダヤ人の入国禁止を政策として行っていたが、それを少しずつ転換し、最終的にはユダヤ人に行政のトップである首相を任せるまでの決断を下す。イギリスほど伝統を重んじる国が他民族に政治を任せるなど異例であり、一部では当然反発もあった。ましてやディズレーリは名前がすごい。Disraeliと綴るが、D(より来た者)とisraeli(イスラエル)という意味で、聞いた瞬間にユダヤ人とバレバレ。「ユダヤ太郎」みたいな感じだ。

 さて、議会が再開されるまでの短期間とはいえ400万ポンドもの大借金をする際の担保としてディズレーリはロスチャイルド銀行に何を差し出したのだろうか。それは「大英帝国」だったと伝えられている。相手のライオネル・ロスチャイルドが同じユダヤ人だったということも大きな理由ではあろうが、どちらにせよ生粋のイギリス人には絶対にできない交渉であったことは確かである。

 よそ者の利点とは一歩下がって外からの広い視点を持つことができるということだ。あきえにしか見えない愛媛の姿がきっとあるはずだ。時に共感を得られず孤独を感じることもあるだろう。切ない。だから見える景色が美しい。大いに活躍し、大いに楽しんでくれ。




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by hoo-ja986 | 2018-02-07 22:24 | アツヲ@営業部 | Comments(0)